はじめに
最近では宇宙ビジネスが盛んで、民間企業によって人工衛星だけでなく、ロケットも打ち上げられています。月の土地所有をめぐる争いも懸念されており、宇宙旅行の予約も始まっています。地球温暖化など地球環境の問題への対処法の一つとして、月や火星への移住も提案されています。将来的には、宇宙の区画に所有権が設定され、地球以外で採れた資源の価格が上乗せされる時代が来るかもしれません。
「生」
私たちの五感は物理的な世界を認識するための主要な手段ですが、存在や生の本質を完全に理解するためには不十分だと感じることがあります。そこで、霊や魂、精神といった概念が登場し、それが宗教や哲学の基盤となりました。
「霊」という概念は、物理的な現象だけでは説明できない存在や力を説明するための抽象的な枠組みとも言えます。一部の人々はこれをシステム、つまりある種の秩序や構造として理解しようとしますが、この考え方には異議を唱える人も多くいます。
システムとしての霊という考え方に反対する理由はいくつかあります。一つは、霊をあくまで信仰や感覚的なものとして捉える立場です。この立場からすれば、霊は計測や分析が困難なものであり、システムという概念に還元することはその本質を見失うことにつながるという考えです。
もう一つの理由は、システムという概念自体があまりに抽象的で、多様な解釈を許すためです。システムという言葉は、様々な文脈で異なる意味を持つことが多く、そのため霊という概念をシステムに当てはめることに対する異論が生じるのです。
原子の配列と生命
原子を同じように並べても生きたものになるか:
- 生命は単なる原子の配列ではなく、その中に情報とプロセスが内包されています。DNAやRNAの遺伝情報だけでなく、タンパク質の折りたたみ、細胞内のエネルギー代謝、シグナル伝達などが生命活動の中心です。原子を同じように並べるだけでは、これらの複雑なプロセスが再現されません。
細胞膜と代謝
細胞膜
- 細胞膜は細胞内外の物質の交換やシグナルの受け渡しを調整します。また、細胞の内部環境を保持するためのバリアとして機能し、細胞の代謝活動を支えます。この膜の機能がなければ、生命維持は不可能です。
代謝
- 細胞内で行われる代謝反応は、エネルギーの生成と利用、老廃物の排出、必要な分子の合成などを行います。これらのプロセスが正常に行われるためには、細胞膜の機能と密接に関連しています。
常在菌と生態系
常在菌
人体には多くの常在菌が存在し、これらは消化、免疫機能、皮膚の健康などに重要な役割を果たします。例えば、腸内細菌は消化を助け、特定のビタミンを合成し、免疫系の調整を行います。これらの細菌が欠如したり、バランスが崩れたりすると、健康に重大な影響を及ぼします。
フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 - Wikipedia
宇宙ビジネスが盛んになった現在、地球以外への移住も語られています。
これも「フランケンシュタインの誘惑」だと思います。人間自体がシステムであり、そのためには周辺のシステムも必要です。例えば、医療で使う薬の多くは植物由来です。抗生物質はほとんどが微生物由来です。こういったものも一緒に移住させなければなりません。
さいごに
「民間」という言葉は柔らかいですが、これは営利企業を指します。営利企業は利益を最大化するために工夫します。既得権益を考えたり、天下りを行ったりする行政に比べて、国の経済発展に寄与するという自由主義の経済学に基づいた考え方です。企業の経済活動を邪魔してはなりません。
宇宙ビジネスも、宇宙に大きな利益があると考えるビジネスの一種です。他のビジネスと変わるところはありません。コメンテーターがテレビで発言することも、宇宙ビジネスが宣伝費を安く抑えて放送することで権威付けができることで、宇宙ビジネスが儲かると考えられている一因です。
土地所有という考えは、農耕が一般化したからです。利害が一致しなければ紛争となります。宇宙ビジネスも紛争を孕んでいると思います。
専門家であれば、このような背景を理解したうえで客観的に捉える必要があると思います。