はじめに
欧米では、民族主義を標榜し、自国第一主義を掲げる極右政党が台頭しています。第2次世界大戦が終わるまでは、イギリス、スペイン、フランス、オランダなどのヨーロッパの国々は多くの植民地を持っていました。そして、これらの国々は現在のパラダイムの源泉でもあります。その基盤は古代ローマ帝国にあります。彼らはアルファベットを使用し、キリスト教を信仰しており、ほとんどのヨーロッパ言語はラテン語から直接的または間接的に影響を受けています。西ローマ帝国が5世紀に滅びるまでは、地中海を挟んで北アフリカから中部ヨーロッパまでを支配していました。
古代ローマ帝国がどのようにして成立したのかを知ることは、現代の世界を理解するうえで重要だと思います。
4大古代文明とギリシャ文明
メソポタミア、エジプト、インダス、中国の四大文明の相互関係についてや、古代ギリシャ文明やローマ帝国との関係はあまり知られていないように思いますので、まとめてみます。
夫々の時代区分は以下の通りです。
メソポタミア文明
紀元前3500年頃から紀元前539年まで
主時代区分
- ウバイド文化: 紀元前6500年頃 紀元前3800年頃
- ウルク時代: 紀元前4000年頃 紀元前3100年頃
- ジェムデト・ナスル期: 紀元前3100年頃 紀元前2900年頃
- 初期王朝時代: 紀元前2900年頃 紀元前2350年頃
- アッカド帝国: 紀元前2334年頃 紀元前2154年頃
- ウル第三王朝: 紀元前2112年頃 紀元前2004年頃
- 古バビロニア時代: 紀元前2000年頃 紀元前1595年頃
- アッシリア帝国: 紀元前1365年頃 紀元前612年
- 新バビロニア時代: 紀元前626年 紀元前539年
エジプト文明
紀元前3100年頃から紀元前332年まで
主な時代区分
- 先王朝時代: 紀元前3100年以前
- 古王国時代: 紀元前2686年 紀元前2181年
- 中王国時代: 紀元前2055年 紀元前1650年
- 新王国時代: 紀元前1550年 紀元前1077年
- 後期王朝時代: 紀元前664年 紀元前332年
インダス文明
紀元前3300年頃から紀元前1300年頃まで
主要な時代区分
黄河文明(中国文明)
紀元前3000年頃から
主な時代区分
- 仰韶文化: 紀元前5000年頃 紀元前3000年頃
- 竜山文化: 紀元前3000年頃 紀元前2000年頃
- 夏王朝: 紀元前2070年頃 紀元前1600年頃
- 商王朝: 紀元前1600年頃 紀元前1046年頃
- 周王朝: 紀元前1046年頃 紀元前256年頃
ギリシャ文明
ミケーネ文明: 紀元前1600年頃 紀元前1100年頃
暗黒時代: 紀元前1100年頃 紀元前800年頃
アルカイック時代: 紀元前800年頃 紀元前500年頃
古典時代: 紀元前500年頃 紀元前323年(アレクサンドロス大王の死)
夫々が独自に発展しながらも活発に交易し、影響していました。
交易路:陸路と海路
シルクロード:東西を結ぶ大動脈
絹織物などの交易品が東西を行き交った有名なシルクロードは、四大文明全てを繋ぐ重要な交易路でした。シルクロードでは、文化や思想、宗教なども伝播しました。
海路:海上交易の繁栄
紅海やインド洋、地中海などを舞台とした海路も、古代文明間の交易を支えました。海路でも、技術や文化が伝播しました。
- エジプト: ナイル川を利用した活発な海運
- インダス: メソポタミアやエジプトと海路で交易
- 中国: 東南アジアやインドとの海上交易
メソポタミア文明とギリシャ文明
現代ヨーロッパ文明のルーツは古代ギリシャ文明にあると言えるでしょう。そして、そのギリシャ文明は、メソポタミア文明の影響を大きく受けて発展しました。
メソポタミア文明とギリシャ文明は、時間的にも空間的にも離れていますが、交易や文化交流を通じて密接に関係していました。具体的には、以下のような影響が見られます。
1. 思想と哲学
- ギリシャの哲学者たちは、メソポタミアの神話や思想を学び、自らの哲学の発展に役立てました。
- 例えば、ソクラテス以前の哲学者であるタレスは、メソポタミアの神話に登場する水から万物が生まれたという考え方を参考に、水の元素論を唱えました。
2. 文字
3. 法律
- ローマ法の基礎となったローマ十二表法は、メソポタミア法の影響を受けていると言われています。
4. 建築
このように、メソポタミア文明は、思想、文字、法律、建築など、様々な分野においてギリシャ文明に影響を与えました。そして、ギリシャ文明はこれらの影響を受け継ぎながら発展し、後のヨーロッパ文明の基盤となりました。
現代ヨーロッパ文明は、ギリシャ文明だけでなく、ローマ文明やケルト文明など、様々な文明の影響を受けています。しかし、その中でもギリシャ文明は、特に重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
メソポタミア文明、ギリシャ文明、そして現代ヨーロッパ文明の繋がりを知ることは、人類の歴史 と 現代社会を考えるうえで重要です。
以下は、メソポタミア文明、ギリシャ文明、現代ヨーロッパ文明について理解を深めるために参考になる情報です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2 https://kotobank.jp/word/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2%E6%96%87%E6%98%8E-643856
ギリシャ文明
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3
現代ヨーロッパ文明
物語の中の真実
西遊記で唐僧がたどる旅路は、シルクロードの一部と考えられています。
主人公の唐僧は、中国からインドへ経典を求めて旅をする
道中に出会う様々な妖怪や試練は、旅の困難さを象徴
西遊記は、シルクロードの危険性や魅力を物語風に描いた作品と言えるでしょう。
シルクロードの真実:交易と冒険
実際のシルクロードは、西遊記のように妖怪が出るような危険な場所ではありませんでした。
しかし、交易路としては過酷な環境であり、多くの旅人が命を落としました。
シルクロードは、単なる交易路ではなく、人々の夢や希望も運びました。
おわりに
欧米などはこのような文化的・精神的な影響下にあります。
新約聖書のマタイによる福音書第5章39節では、キリストの言葉として「しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。むしろ、右の頬を打たれたら、左の頬をも向けなさい。」("But I tell you, do not resist an evil person. If anyone slaps you on the right cheek, turn to them the other cheek also.")とあります。これは民族主義や自国第一主義とは大きく異なりますが、現在の彼らの精神基盤を知る助けになると思います。