はじめに
最近は藤井風、Ado、YOASOBIをよく聴いています。彼らが日本発のアーティストとして世界でも活躍していることは本当に素晴らしいと思います。過去に世界的な大ヒットといえば、坂本九の「上を向いて歩こう」がありましたが、海外では「スキヤキ・ソング」と呼ばれ、曲の内容とは全く関係のない名前で紹介されました。その成功も一度きりの単発的なものでした。
しかし現在の藤井風、Ado、YOASOBIには、海外でもリサイタルが成立するほどのヒット曲が複数あり、継続的に世界のリスナーを魅了している点が大きな違いだと感じます。
歌謡曲とj-pop
| 歌手 | 音楽的要素 | 歌詞的特徴 | 文化的背景 | 世界で受ける理由 |
| YOASOBI | ポップスにエレクトロニカ要素を融合、透明感ある旋律 | 小説を原作にした物語性、情景描写に強み | ネット発の音楽ユニットとして若者文化に直結 | メロディーが普遍的に美しく、言語を超えて感情を伝えられる |
| Ado | ロック・メタル的なシャウトから繊細な声まで幅広い表現 | 強烈で個性的、自己表現や感情を直球で伝える歌詞 | ボカロ文化とアニメ映画『ワンピース』などとの親和性 | 独自の歌唱スタイルと圧倒的なエネルギーが国境を越える |
| 藤井風 | ジャズ、R&B、クラシックなどを取り込み、即興性の高い演奏 | 岡山弁と標準語をシームレスに融合、ユーモアと哲学性を併せ持つ | 幼少期からピアノに親しみ、YouTubeでの弾き語りが原点 | 日本的な方言文化と国際的な音楽感覚を融合し、オリジナリティとして受け入れられる |
おわりに
日本の音楽にはもともと素晴らしい力があります。過去にも優れた歌手は数多く存在しましたが、大手プロダクションに所属しなければ番組制作会社の目に留まらず、なかなか表舞台に出られない時代が長く続きました。プロダクションの意向に従わなければ活動の幅が限られ、個性や表現が抑え込まれてしまうことも少なくありませんでした。
しかし現在は、アーティスト自身がSNSや配信サービスを通じて直接リスナーとつながることができます。発信内容を誰かにおもねる必要もなく、自分らしさをそのまま音楽に反映できるようになった結果、より自由で質の高い作品が次々と生まれているように感じます。
「急に才能ある歌手が増えた」のではなく、過去からずっと存在していた優れたアーティストたちが、ようやく自由に羽ばたける環境が整ったのだと思います。