はじめに
政策による「円安」が外国人流入の経済的な要因を作った一方で、「外国人排斥」を叫ぶ声は、主に社会・文化的な摩擦や生活への影響、そして経済的な格差拡大への不満が背景にあると考えられます。

経済政策(円安)の意図と結果
アベノミクス(第二次安倍政権)およびサナエノミクス(高市新総裁の政策)は、いずれも大胆な金融緩和を柱の一つとし、意図して大幅な円安をもたらしました。
デフレ脱却: 長期デフレからの脱却と、経済成長を目指しました。
円安のメリット:
輸出企業: 外貨で得た利益を円に換算した際の収益が増加し(為替差益)、業績が改善しました。
外国人観光客: 日本での旅行やサービスの価格が相対的に安くなり、インバウンド需要が大幅に増加しました。
外国人労働者: 円安と日本の長期デフレによる相対的な物価の安さは、海外の賃金水準と比べた場合に、一部の労働者にとって日本での就労を魅力的なものにする要因の一つとなりました。
外国人排斥が叫ばれる背景
経済政策による円安は、全体としての経済効果とは別に、国民生活に負の側面をもたらし、これが外国人排斥の感情を強める遠因になっています。
1. 経済的な不満と格差拡大
輸入物価の高騰: 円安は、エネルギー、食料品などの輸入価格を押し上げ、物価全体を上昇させます。
実質賃金の低下: 物価が上昇しても、長らく名目賃金(額面上の給与)が横ばいであったため、購買力が低下し、多くの国民は生活が苦しくなりました(検索結果1.10)。
不満の転嫁: 政策による物価高で生活が苦しくなったにもかかわらず、その原因が曖昧なため、目に見える変化である外国人増加に不満や不安が転嫁されやすくなります。(憂さ晴らし、政権によるガス抜き)
2. 社会・生活インフラへの影響
観光公害(オーバーツーリズム): 急増した外国人観光客により、一部の地域でゴミ問題、騒音問題、公共交通機関の混雑、観光地周辺の住居費の高騰などが生じ、住民の生活環境が悪化しました。
生活様式の摩擦: 外国人労働者や居住者の増加に伴い、文化や慣習の違いから生じる地域社会での摩擦や、一部での治安への懸念が生じることがあります。
低賃金労働者の増加:特定技能実習制度などを通じた外国人労働者の増加は、低賃金労働の維持につながっているとの批判もあり、国内の労働者の賃金上昇を妨げているという見方もあります。
さいごに
外国人排斥の感情は、単純に外国人が増えたことだけでなく、円安・物価高などの経済政策の負の側面によって引き起こされた国民の生活苦や経済的な格差拡大への不満が、社会インフラや生活環境の変化と結びつき、「外国人」という目に見える存在に矛先が向けられているという側面が強いと言えます。
経済的な要因(政策)と社会的な要因(排斥)は、一見すると矛盾しているように見えますが、実際には一連の経済政策が生み出した構造的なひずみの中で、複雑に絡み合って発生している現象だと考えられます。
大きな原因が政策にあるにもかかわず、現象面だけを捉えることで、無くすものも多いと思います。またそれを助長している報道にも大きな問題を感じます。
