はじめに
アルタミラ洞窟には約3万6千年前の洞窟画が残されており、現在では世界遺産に登録されています。ホモ・サピエンスは古くから絵を描いていたことがわかります。絵にするとは、3次元のものを2次元する作業で、抽象化する事が必要です。抽象の概念が出来ていたことが解ります。
記号は絵を簡略化したものであり、絵をさらに抽象化していてます。記号を用いる際には、情報を簡略化しつつ、他者に伝達するという目的が含まれています。他者が同じ意味を共有すると仮定することで、記号には抽象化と集団的な認識が求められるのです。集団を作るには、その集団の内と外を区別し、集団への帰属意識が必要です。
一方で、文字は言語と結びつき、記憶を固定化し、何世代にもわたって情報を伝える役割を果たします。絵、記号、文字はそれぞれ目的や機能、使用される文脈に応じて異なりますが、これらの違いは文化の発展や成熟度を示す重要な指標の一つでもあります。そのため、これらの要素をどう捉えるかは、文化の理解や歴史的考察において非常に重要なテーマとなります。