政党
フランスの主な政党の特徴を右派から左派への順にした表です。
政党名 | イデオロギー・政治位置 | 主な主張・政策 |
フランスのための国民連合 (Rassemblement National) | 右派、ナショナリズム、ポピュリズム | 移民制限、国境管理強化、EUからの権限回復、治安対策の強化 |
レ・レパブリカン (Les Républicains) | 中道右派、保守主義 | 伝統的価値観の保護、経済自由主義、治安対策の強化、税制改革 |
エマニュエル・マクロンの共和国前進 (La République En Marche) | 中道、リベラル | 経済改革、労働市場の柔軟性向上、ヨーロッパ統合の強化、気候変動対策 |
民主運動 (Mouvement Démocrate) | 中道、社会リベラル | ヨーロッパ統合の強化、経済改革、教育の質向上、環境保護 |
フランス社会党 (Parti Socialiste) | 中道左派、社会民主主義 | 社会的平等、公共サービスの強化、労働者の権利保護、環境保護 |
フランス共産党 (Parti Communiste Français) | 左派、共産主義 | 反資本主義、社会的平等、労働者の権利保護、公共サービスの強化 |
フランス生態主義・緑の党 (Europe Écologie Les Verts) | 左派、緑の政治 | 環境保護、持続可能なエネルギー、社会的平等、人権の保護 |
フランスの無垢の人々 (La France Insoumise) | 左派、急進左派 | 社会的平等、環境保護、反グローバリゼーション、労働者の権利保護 |
7月7日のフランス総選挙の結果は、左派の連合である新人民戦線が180議席を獲得し、マクロン大統領率いる中道の与党連合は選挙前に比べて議席を大幅に減らし163議席となりました。極右政党の国民連合は連携する勢力と合わせて143議席を獲得しました。
この結果を受けて、マクロン大統領は辞表を提出しました。しかし、新人民戦線も過半数には届かず、政治が迷走し、「宙づり議会」といわれています。
マクロン大統領はロスチャイルド銀行の投資顧問でしたが、オランド前大統領により大統領府副事務総長に任命されました。
マクロン氏への戦術
共和制、法の支配、議会主義、欧州志向、フランスの独立擁護を自認する全ての政治勢力に対し、フランスのために、必然的に多様で強固な多数派の形成に向け正直かつ誠実な対話を行うよう呼びかけています。選挙で、極右政党を弱体化させ、中立層を結束させることで、左翼に打ち勝とうとしています。
原因
【分析】 極右「国民連合」、なぜフランス政界で優勢になったのか - BBCニュース
マクロン大統領の支持が低下した原因は複数あります。以下に主要な要因を挙げます。
1. 経済問題:
マクロン政権下でフランスの経済成長は一定の成果を上げたものの、労働市場改革や年金制度改革などの経済政策は労働者や高齢者の間で不満を引き起こしました。これにより、特に中低所得層の間で支持が減少しました。
2. 社会的不平等:
マクロンの政策は富裕層優遇と見なされることが多く、「富裕層の大統領」として批判されました。特に「黄色いベスト運動」のような大規模な抗議運動は、政府の社会政策に対する不満を顕著に示しました。
3. コロナウイルス対応:
新型コロナウイルスのパンデミックに対する政府の対応も批判の的となりました。ロックダウンやワクチン接種の進捗に関する不満が広がり、特に若年層や中小企業経営者の間で支持が低下しました。
4. 政治的対立:
マクロンの中道改革派の立場は、左右両極からの攻撃を招きやすく、議会での立法過程が困難になっています。特に左派と極右勢力の台頭により、支持基盤が揺らいでいます。
5. 国際問題:
国際的な課題に対するマクロンの対応も支持率に影響を与えています。例えば、ウクライナ危機や対中政策など、国際関係に関する決定が国内政治に影響を与えています。
これらの要因が複合的に作用し、マクロン大統領の支持率が低下しています。
最近の情勢
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