考え方

あるの視点から

生命 その複雑さと進化

はじめに

概念が成り立つためには、その反対概念を認識する必要があります。ゼロの概念はインドで生まれました。この概念によって数学は発展できたのです。ゼロの概念には「無」が必要ですが、何もないを認識する事はとても大変です。このことが物事を複雑にしています。私たちが概念を持っていないために、見ているのに意識していない物が沢山あります。

「生」の概念には「死」が必要です。「死」があるから「生」があります。私たちは人の死を感じます。しかし、多細胞生物の死はその全細胞の死を意味しません。このタイムラグを利用するのが移植です。

それに生殖により次世代が生まれますが、遺伝子は死んでいないことになります。

生命の定義は興味深い深い問題です。生物学だけでなく、思想でも違ってきます。地球外生命体を探すことにも大きくかかわってきます。

地球外生命体は必ずあるでしょう。知的生命体も必ずあるでしょうが、知的生命体同士が出会う可能性は非常に少ないでしょう。宇宙からの電波を監視していますが、人の「常識」からは、離れていません。どんな方法で、コミュニケーションを取るかは不明です。姿形は想像もできません。

地球上の動物は主にタンパク質で構成されています。タンパク質は、アミノ酸と呼ばれる20種類ほどの小さな分子が結合してできた複雑な化合物です。アミノ酸は、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄を含む炭化化合物です。

しかし、動物の体はタンパク質だけでできているわけではありません。脂質、炭水化物、核酸、ミネラルなども重要な構成要素です。それぞれの成分は以下の役割を果たし

ています。

  • タンパク質: 筋肉、皮膚、髪、骨、血液、酵素、ホルモンなど、体の構造と機能を維持するために不可欠です。
  • 脂質: エネルギー源として貯蔵され、細胞膜の構成要素となり、体温を維持し、ホルモンやビタミンの輸送を助けます。
  • 炭水化物: エネルギー源として最も重要な役割を果たし、細胞の構造と機能にも関与します。
  • 核酸: DNAとRNAは、遺伝情報を保存し、細胞の成長、分裂、機能を制御します。
  • ミネラル: 骨や歯の形成、神経機能の維持、筋肉の収縮、体液のバランス調整など、様々な重要な役割を果たします。

このように、動物の体は様々な種類の分子が複雑に絡み合って構成されています。タンパク質は重要な役割を果たしていますが、他の成分も同様に不可欠なのです。

地球の生命体は地球の環境に適合したものの生き残りです。地球には標高8000mから深海までや、極地から赤道まで、雲霧帯から砂漠まで多種の環境があります。

 

生物における膜とは

生物(地球の:以下略)における膜は、主に脂質とタンパク質からなる微小な構造体で、細胞や細胞内小器官を包み、内部環境を外部環境から隔てる役割を担っています。厚さは約6~10nm程度と非常に薄く、柔軟性と選択透過性という重要な性質を持っています。

膜の構造

膜の基本的な構造は、リン脂質二重層と呼ばれるものです。リン脂質は、水になじみやすい親水性の「頭部」と、水になじみにくい疎水性の「尾部」を持つ分子です。リン脂質二重層では、親水性の頭部が外側を向いて水と接し、疎水性の尾部は内側で向かい合って脂質の層を形成します。

このリン脂質二重層に、様々な種類の膜タンパク質が埋め込まれています。膜タンパク質は、膜を介した物質の輸送、細胞間の情報伝達、細胞の接着など、様々な機能を担っています。

膜の機能

膜の主な機能は以下の通りです。

  • 隔離: 細胞や細胞内小器官を包み、内部環境を外部環境から隔離し、細胞の恒常性を維持します。
  • 物質輸送: 膜タンパク質を介して、必要な物質を細胞内外に出入りさせ、細胞の代謝や機能を維持します。
  • 情報伝達: 膜受容体タンパク質を介して、外部からの信号を受け取り、細胞内へ伝達します。
  • エネルギー変換: 光合成やATP合成など、エネルギー変換に関わる膜タンパク質が存在します。
  • 細胞骨格: 膜の一部は細胞骨格と連結し、細胞の形を維持する役割を果たします。

生体膜の種類

生体膜には、以下のような種類があります。

  • 細胞膜: すべての細胞を包む膜で、最も基本的な膜です。
  • 核膜: 細胞核を包む膜で、遺伝情報を含む染色体を保護します。
  • 小胞体膜: 小胞体と呼ばれる細胞内小器官の膜で、タンパク質の合成や輸送に関与します。
  • ミトコンドリア内膜: ミトコンドリアと呼ばれる細胞内小器官の内側の膜で、ATP合成に関与します。
  • ゴルジ体膜: ゴルジ体と呼ばれる細胞内小器官の膜で、タンパク質の加工や輸送に関与します。

このように、生物膜は細胞にとって非常に重要な役割を担っており、生命活動の維持に不可欠な存在と言えるでしょう。

タンパク質 - Wikipedia

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細胞説は、19世紀にドイツの植物学者マティアス・ヤコブ・シュライデンと動物学者テオドール・シュワンによって提唱されました。彼らは、植物と動物の組織を顕微鏡で観察し、すべての生物は細胞から構成されていることを発見しました。

細胞は、生命活動の最小単位と考えられています。細胞には、膜、細胞質、核などの基本的な構造があり、それぞれが重要な役割を果たしています。膜は細胞内外を隔て、物質の出入りを制御します。細胞質は、細胞の主要な構成要素であり、様々な化学反応が起こります。核は、遺伝情報を含むDNAを保持しています。

しかし、全ての生命体が細胞で構成されているわけではありません。ウイルスは、細胞を持たない非細胞生物です。ウイルスは、遺伝情報とタンパク質の殻からなる非常に小さな粒子です。細胞に侵入して増殖し、細胞を破壊することがあります。

また、プリオンと呼ばれる感染性タンパク質も、細胞を持たない病原体です。プリオンは、脳の神経細胞に蓄積し、変性性疾患を引き起こします。

このように、ほとんどの生物は細胞から構成されていますが、細胞を持たない生物も存在します。しかし、細胞は生命活動にとって非常に重要であり、細胞説は生物学の理解において重要な役割を果たしています。

以下、細胞を持つ生物と細胞を持たない生物の例をいくつか挙げます。

細胞を持つ生物

  • 動物: ヒト、犬、猫、鳥、魚など
  • 植物: 木、草、花など
  • 菌類: キノコ、カビなど
  • 原生生物: アメーバ、ゾウリムシ、ミドリムシなど

細胞を持たない生物

バッファー機構

恒に同じ状態を維持しようとする機構で、ホメオスタシスとも言われます。生物はこういった機構があるので、生物内部はエントロピーの法則に反しています。地球環境もバッファー機構を持ち、生物はその機構の中心にいます。地球自体を生命と見る人もいます。

代謝

物質の入れ替えメカニズム

有機化学

細胞膜:生命現象は膜で区切られます。それはエントロピーの法則からも言えます。幕を持たないウィルスは一般的には生物とみなされません。

ウイルス - Wikipedia

恒常性 - Wikipedia

分解されない有機

地上の生物は有機物で出来ている。なので、200℃でも酸素で分解します。私たちは空気にはO2があると思っていますが、O2は植物が2酸化炭素を分解してできます。それによって肺呼吸が出来るようになりました。それまで、大気に酸素がなければ有機質の分解はずっと高い温度であったと思います。大気の歴史は生命にとって非常に重要です。

ハビタブルゾーンは地球の生物を基にした概念です。そういった概念を見つめ直す必要があるかもしれません。

地球の大気 - Wikipedia

生命の起源:『化学進化』は海底地下でおこった!-高... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

ハビタブルゾーン - Wikipedia

さいごに

私は開業歯科医でしたが、歯学部で学位を取得し、倒れるまでは、大学の医局に所属し、学会で発表もしていました。ですから、研究者であり、歯学博士です。開業医に学位取得者の数は多いですが、学会で発表している人はごく少数です。

歯学と言うものは歯およびその関連組織など通じて生を追求する学問です。ほとんど全ての学問の目的も生を追求する事です。ただ、多くの場合、深く細かく追求しているので、「生」の認識がおろそかになっています。

生体の内部はエントロピーの法則に反するシステムがあり、そのための役割を担っているのが膜です。

エントロピー - Wikipedia

圧が高ければ高温の水が存在できる。酸素がなければ、炭素化合物も燃えないから、分解される温度も高くなる。多分熱水噴出孔はそういった条件に合っているのだろう。

globe.asahi.com

「学会で報告されています。」と言うことがありますが、たいていの学会発表は非常にハードルが低く、少し慣れれば誰でも可能です。さらに、学会も非常に多く、無審査の学会もあります。ただ、学会誌に論文を載せるためには、多くの検証がなされます。学会の認定で新事実となります。ネット上の新事実・新発見は、一部の人だけがそう思っていることが多いと思います。

インパクトファクターという学会誌の評価法があります。インパクトファクターが高い雑誌への論文掲載は、新教授を誰にするかと言う時の一要素です。

インパクトファクター - Wikipedia