ある考え方では

あるの視点から

社会契約と経済成長への影響

はじめに

税金の累進性は本来、富を調整する資本主義の補完機能ですが、次第に累進性が失われつつあるように思います。これは資本主義の変質ではないかと思います。

資産課税や新NISA制度の話題の裏で、このことを 財務省のサイトを中心に確かめようと思います。

累進課税 - Wikipedia

財務省のサイトから

下記の図で、累進性のある個人課税には、所得税相続税が含まれます。これらを合わせると18.8%となり、消費税の21.2%を下回ります。さらに、所得税において、金融商品にかかわる税制は20.315%(内訳:国税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%)に固定されています。

 

税法の所得

所得には多くの種類があり、累進性があるのは申告所得や給与所得です。

税法では、所得を利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、および雑所得の10種類に分類しています。

資産税は主に固定資産税として、不動産に掛けられていて、年ごとの額が発表され、所有者に明細と納付書が送られてきます。

金融商品での所得は20.315%(20%に復興特別所得税0.315%が上乗せされています。ほとんどが福島原発関連で、東京電力の費用負担の肩代わりなので、原発における発電費用に含めるべきだと思います)です。

No.2011 課税される所得、課税所得|国税庁

さいごに

資本主義の内部矛盾を補完するための制度や政策が、高額所得者によって弱体化されることで、システム全体の安定性が損なわれるリスクがあります。累進課税独占禁止法といった制度は、経済的不平等を是正し、市場の健全な競争を保つために重要な役割を果たしていますが、これらが弱体化されると以下のような問題が生じることになります。

経済的不平等の拡大


累進課税が弱体化されると、富の集中が進み、経済的不平等が拡大します。これは社会的不安を引き起こし、最終的には政治的不安定や社会的な分断を招く可能性があります。

公共サービスの質の低下


累進課税による税収が減少すると、教育、医療、インフラなどの公共サービスの質が低下します。これにより、社会全体の福祉が低下し、長期的には経済の成長にも悪影響を与える可能性があります。

市場の健全性の損失


独占禁止法が弱体化されると、一部の企業が市場を支配し、競争が阻害されます。これはイノベーションの停滞や消費者の選択肢の減少を招き、経済全体の活力が失われる可能性があります。

国際的な競争力の低下


高額所得者の外国への移住や過度の節税が進むと、国内の優秀な人材や企業が流出し、国際的な競争力が低下するリスクがあります。これは長期的な経済成長にとってマイナスとなります。

社会契約の崩壊


累進課税独占禁止法といった制度は、社会全体の利益を守るためのものであり、これらが機能しなくなると、社会契約が崩壊し、社会的な連帯感が失われます。これは社会全体の安定と発展にとって深刻な脅威となります。

結論


高額所得者が自らの利益を優先して累進課税独占禁止法を弱体化しようとする動きは、短期的には利益をもたらすかもしれませんが、長期的には社会全体の安定と発展を損ない、自分たちの首を絞める結果となる可能性があります。持続可能な社会を維持するためには、全てのステークホルダーが協力して、公平で健全な制度を維持し、発展させることが重要です。