ある考え方では

あるの視点から

宇宙観と行動範囲

はじめに

人類は古来より、夜空に輝く星々を眺め、宇宙の神秘に魅せられてきました。その宇宙観は、時代とともに大きく変化してきました。天動説から地動説、そして相対性理論宇宙論へと発展を遂げた宇宙観の進化は、ホモサピエンスの行動範囲と深く関わっています。

 

移動範囲の拡大と宇宙観の変化

古代の宇宙観

中国では、大地は巨大な正方形をなしており、天はそれよりさらに大きい円形(天の中心は北極星)または球形(北極星と大地の中心を結ぶ線が球面の軸)と考えられていました。

インドでは、地と空気と天の三層から成るとされ、それぞれがさらに三つの層に分かれます。つまり、宇宙は全部で九層に分かれると考えられていました。人間が住むのは三層の地の最も高い部分で、下界の二層を支配するのは神の対立者アスラ(阿修羅)でした。天は神の住む高い所で、仏教においては天の三層は欲界・色界・無色界と区分され、最高天は「有頂天」とされます。空気の三層は天の空間、地の空間、その中間の空間に分かれ、雲や雨は地の空間にあり、太陽はその上の空間を通過するとされていました。

ギリシャでは、大地は平たい円盤で、オケアノスという大洋に浮かんでいると考えられていました。水は我々の世界を取り囲むだけでなく、太陽も月も星も灼熱した水蒸気で天井の水の空を航行しているとされていました。

古代バビロン人(メソポタミア)は、大地が周囲を大洋に囲まれており、その大洋もまた高い絶壁で囲まれていて、その上を紡錘型の天井がアーチ状にかかっていると考えていました。天井の内部は真っ暗でちりだけの夜の世界であり、天井の東と西にはそれぞれ穴が開かれており、太陽や月はここを出入りすることで昼と夜が繰り返されると考えていました。

古代エジプト人は、地球は植物で覆われて横たわる女神ゲブの姿であると考えていました。天の神ヌトは、体を折り曲げて大気の神に持ち上げられているとされ、太陽の神ラーと月の神は、それぞれ二つの舟に乗って毎日天のナイル川を横切って死の闇に消えていくと考えられていました。

マヤ・アステカ人は、この世は水に囲まれた円盤状の固まりと見なしていました。その円盤状の固まりを取り囲む水は天と一体になっており、4ヶ所で神々の差し上げた腕で支えられていました。天上界は13界から成り立っており、そこには惑星・星・夜・暗黒を象徴するドラゴンが住んでいました。地下界は9界から成り立っていて、死ねば生前の行いに応じて9つのいずれかに行き、9番目の界に行くと無となり消滅しました。生けにえや戦争で死ねば天国に行くことができるとされていました。

ユダヤでは、泉が湧き、川が流れ、山や海もある大地が下界の中心にあります。大地の周囲は海で囲まれ、その海の外側、空気のある場所とない場所の境が天とされます。大地の下には泉に通じる下界の水(地下の海)があり、さらにその下にインフェルノがあります。天の下縁は風の貯蔵所であり、上方は上界の水、雪、ヒョウの貯蔵所とされ、その上を上天が覆っています。

https://www9.big.or.jp/~akkun/ancient_univers/ancient.htm

古代の宇宙観を解説!エジプト・インド・バビロニア・中国の宇宙観 - 宇宙探検隊

  • 天動説の時代: 人々の移動範囲は限られており、地球が宇宙の中心であるという天動説は、当時の常識として広く受け入れられていました。地球が平らであると考えられていた時代もあり、宇宙は有限で、天体は地球の周りを回っているという考え方でした。


  • 地動説の時代:大航海時代となり、人々の移動範囲が地球規模に広がるにつれて、天動説では説明できない現象が数多く観測されるようになりました。コペルニクスガリレオ・ガリレイらによって地動説が提唱され、地球が太陽の周りを回っているという新たな宇宙観が確立されていきました。この宇宙観の確立には望遠鏡の普及が大きな役割を果たしました。人々が望遠鏡を通じて間接的に行動範囲を拡げたからです。


  • 相対性理論宇宙論の時代: 科学技術の発展により、人類は宇宙空間への探査を始めるようになりました。ロケットの発射や人工衛星の打ち上げなど、宇宙に関する新たな観測データが得られるようになり、アインシュタイン相対性理論や現代宇宙論が誕生しました。宇宙は膨張している、ブラックホールが存在するなど、私たちの宇宙観はますます広がりを見せています。


なぜ移動範囲は宇宙観に影響を与えるのか?

  • 観測範囲の拡大: 移動範囲が広がるにつれて、観測できる範囲も広がります。地球を飛び出し、宇宙空間から地球や他の天体を観測することで、地球中心の宇宙観から脱却し、宇宙全体の構造を理解することが可能になりました。
  • 新たな現象との出会い: 移動範囲が広がることで、これまで経験したことのない自然現象に出会う機会が増えます。例えば、大航海時代には、ヨーロッパでは見られない動植物や気象現象が発見され、それらの説明のために新たな理論が求められました。
  • 多様な文化との接触: 移動範囲が広がることで、異なる文化を持つ人々と接触する機会が増えます。それぞれの文化が持つ宇宙観に触れることで、自らの宇宙観を相対化し、より客観的な視点を持つことができるようになります。

まとめ

人類の宇宙観の進化は、単に科学的な発見の積み重ねだけでなく、人間の行動範囲の拡大という歴史的な背景と深く結びついています。古代の人にとっては上から下へ力が働いていくのは自明なことで、そう理解しても生活上、困る事はありませんでした。自明なことと言うのはどうしてを考えないという事です。ニュートン力学万有引力が提唱されたのは、1687年である。大航海時代で、地球が球体であろうと思われだした時代であり、それまで大地は平面としたことと矛盾したからであろう。行動範囲が広がるにつれて、ニュートン力学では、困る事や矛盾する事が出てきて、宇宙に対する理解は変わってきました。宇宙観は物を見る目の基盤(パラダイム)となります。現在でもアメリカ人の4割ほどが、進化論をフェークニュースとしているようです。私たちの宇宙観もますます変化し多様化していくでしょう。

今後の展望

現代においても、宇宙探査は日々進んでいます。将来、人類が太陽系を飛び出し、他の恒星系へと到達できる日が来るかもしれません。

読者への質問

  • あなたは、人類の移動範囲が宇宙観に与える影響について、どのように考えていますか?
  • 将来的に、人類の宇宙観はどのように変化していくと思いますか?