指数の不思議
指数関数とねずみ講
指数関数は、人間の感覚と大きく異なる性質を持っています。この性質を「詐欺」に使ったものが、ねずみ講、別名無限連鎖講です。
1つのねずみ講の仕組み例は、以下の通りです。
- 会員は入会金として10万円を運営者に支払う。
- 運営者はその半分の5万円を勧誘した会員に支払う。
- 会員は受け取った5万円の半分の2.5万円を自分の勧誘者に支払う。
- 4人勧誘すれば、支払った10万円を取り戻せる。
- 自分が勧誘した人が新たな会員を獲得すれば、彼らの得る半額が自分に入る。
- この仕組みが続けば、永遠にお金が入ってくるように見える。
- 運営者には、莫大な金額が積み上がる。
しかし、この仕組みは持続不可能です。
会員数が指数関数的に増加するため、総人口に達するまでの時間は非常に短くなります。
仮に、会員一人当たり2人勧誘すると仮定すると、27回目には日本の人口を超えてしまい、立ち行かなくなります。
同様に、指数関数は祖先の数にも関係しています。
親になるのが、平均が33.3歳とすれば、1世紀で3世代の交代が起きます。1000年前は30代前になります。単純計算では、2の30乗、つまり約10億7374万1824人の祖先がいることになります。しかし、1000年前の日本の人口は約750万人と推定されています。北海道や沖縄を含めても、最大1000万人だったとすると、総人口の100倍の人が祖先です。地域によって祖先の偏在はあるものの、日本国民であれば、その頃の人口の大半が祖先ということになります。
日本は有史以来1500年、皇紀2600年ですので、私たちの遺伝子には、大抵は天皇も最貧民も含まれています。
自分の祖先が高貴であると思っている人は、大脳系が幸福ホルモンを欲しているのでしょう。
自然界における指数関数
自然界においては、指数関数の方がより自然な現象であると考えることができます。ビッグバン理論も、現在の宇宙の大きさが 2^nで、n=ー∞~+∞と考えれば、永遠の昔から永遠の未来までが、1つの宇宙と言えます。始まりはなく終わりもありません。指数で考えるので、マイナスを考える必要が無くなります。こう考えるとパラレルワールドの存在に否定的になります。
地震エネルギーの大きさをマグニチュードで表しますが、これも結局は指数関数です。指数関数を四則演算しても、実態を表していません。
人生は最大でも120年程度であり、摩擦や抵抗のある固体の中で過ごしています。これは、宇宙全体の中では非常に特殊な環境と言えるでしょう。
「移動」と言う概念を考えるためには、動かない基準点が必要となります。しかし、よく考えると、長期的に見て基準となるような点は存在しません。
地球は太陽の周りを回り、太陽は天の川銀河を回り、天の川銀河も超高速で移動しています。しかし、「何に対して移動しているのか」と考えると、「動いてる」ことに意味がありません。
悠久の時と広大な宇宙の中では、基準点などなく、速度という概念も成り立っていないのです。
地球が太陽の周りを、月が地球の周りを定速(宇宙において定速は不動)で回ることにより時間が図れます。それも基準点があるためです。
さいごに
指数は人の感覚など と大きくずれています。しかし、自然科学は指数で動いていて、実数が使えるのは限られた範囲だと思います。また数学は言語の1種で物理現象に合わせたものです。数学自体はj実証科学ではありません。少ない公理でどれだけ広げられるかと言うものです。
ゼノンのパラドックスや無限連鎖講(ねずみ講)は、人間の認知のずれや錯覚を利用した例として興味深いです。これらの現象は、日常生活でもさまざまな形で見受けられます。いくつかの具体的な例を挙げてみますが、重要なのは、こうした手法に対して批判的な視点を持ち、冷静に判断する能力を養うことです。
日常生活での錯覚の例
- 広告の手法:広告は、商品の良い面を強調し、悪い面を隠すことで消費者の認知を操作します。たとえば、「期間限定」や「特別割引」といったフレーズは、急いで購入しなければならないという錯覚を引き起こします。
- 金融商品:複雑な金融商品や投資スキームは、高利回りを強調し、リスクを見落とさせることで投資家を引き寄せます。これも、人間の欲望や希望に基づく認知の歪みを利用しています。
- 選挙戦略:政治家や候補者は、自分たちの政策の良い面だけを強調し、対立候補の欠点を強調することで有権者の認知を操作します。このような戦略は、有権者の感情や先入観に働きかけます。
参照: