はじめに
2025年に新札が発行されると話題になっています。日本では、千円札・五千円札・一万円札の三種類の紙幣が一般に使われています。変化しにくい金・銀・銅などの貴金属は、貨幣として使われています。しかし、紙幣や貨幣額面の価値を得るのはどうしてでしょうか。また、全ての物はより安く製造することが求めらています。
ネット社会である現在では、通貨自体もデジタル化し、製造コストをゼロに近付けています。ネット振込が多くなり、クレジットカード・プリペードカードの使用が増え、貨幣や紙幣を見る機会が減りました。
偽札対策の代わりにそのカードの信頼性を把握しなければいけなくなり、多くの技術が考案されています。
ネットには、多くのお金に関する話が出ていますが、どれもあまりシックリきません。そこで、自分で考察してみました。
主な「お金」サイト、
- お金 - Wikipedia
- お金とは?機能や役割について分かりやすく解説!|りそなグループ
- 日本の大人たちは「お金の本質」を知らなさすぎる お金について知るのは、世の中のことを知ること | 家計・貯金 | 東洋経済オンライン
- お金と暮らし: 金融庁
- 【初心者向け】お金の勉強は何から始める?勉強方法やメリットを解説! | 三菱UFJ銀行
- 「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力 | 政府広報オンライン
江戸時代の貨幣制度
江戸時代の貨幣制度は、1603年に江戸幕府が成立してから1867年までの間、日本国内で流通していた貨幣のシステムを指します。この時代の貨幣制度は、金・銀・銭(銅銭や鉄銭)の三種類の貨幣が並行して使われており、それぞれが異なる役割を持っていました。複雑な貨幣制度でしたが、世界的には進んでいました。この制度は明治以後の近代化に寄与しました。
江戸の金遣い
金貨は大判、小判、一分金などがありました。主に高額取引や政府の歳入などで使われました。金貨は大名や大商人など、富裕層によって使用されました。金で作られた貨幣には、大判・小判・一分金などがありました。
大判は実用的ではなく、主に贈答用や儀礼用でした。小判は金一両相当の中型貨幣で、流通はしていましたが、一般的ではありませんでした。一分金は金一分相当(四分の一両)でした。
幕府は財政を立て直すために小判などの改鋳をしましたが、これは、信用創造につながると思います。
大阪の銀遣
商業の中心であった大阪は、金でなく、銀を重量によって価値が決まる秤量貨幣(計量貨幣)として使用されました。銀貨には銀貨は丁銀や豆板銀などがありました。
そのほかの貨幣
銭貨は銅や鉄で作られたもので、主に小額取引で使用されました。これには、寛永通宝や文久銭などが含まれます。
江戸時代の両替
- 金、銀、銅の貨幣を交換する。
- 預金・貸付: 顧客から預かったお金を貸し出す。現代の銀行における預金・貸付業務とほぼ同様。
- 為替: 遠隔地への送金を代行する。手形を用いて安全かつ効率的に送金できた。
- その他: 金塊の売買、手形の発行、証書の作成など、現代の金融機関が行う様々な業務を担っていた。
でした。こう言った業務は信用の上に成り立つものです。代表的な両替商としては
- 鴻池: 大阪を拠点とし、全国に支店網を持つ。当時の巨大企業の一つ。
- 三井: 江戸を中心に活動し、呉服商から発展した。現代の三井グループのルーツ。
- 住友: 京都を拠点とし、銅山経営から発展した。現代の住友グループのルーツ。
があり、現在の企業グループとなっています。また、三井・住友は銀行として、業務を受け継いでいます。
江戸時代の貨幣制度は、日本の経済史において重要な役割を果たし、その後の明治維新による近代的な貨幣制度の導入の基盤となりました。
- 両替商 - Wikipedia
- 江戸時代の三貨制度 - Wikipedia
- 銀遣 - Wikipedia
- 江戸時代の貨幣制度|江戸時代の貨幣の種類|江戸時代の両替商|貨幣の改鋳|金貨の流出と改鋳|日本食文化の醤油を知る
貨幣制度の明治時代の転換
明治時代に日本が新しい貨幣システムに転換した過程は、近代化を目指した一連の改革の一環でした。貨幣制度は社会の基盤です。このことで、日本が植民地にならずに、第1次世界大戦に参戦し、世界的な大国になりました。
明治維新が江戸時代の社会システムを利用しつつ改造しため、庶民の生活や意識の変化(パラダイムシフト)は小さく、明治維新を革命と呼ばびません。これが現在の日本が経済的に停滞している一因かもしれません。
- 明治維新は社会の大きな変革をもたらしましたが、完全に新しいシステムを導入したわけではなく、江戸時代の既存の社会構造や慣習を多く取り入れたため、庶民にとってはそこまで急激な変化ではなかったという見解です。
- 庶民のパラダイムシフトが小さかったということは、日常生活や意識の変化がそれほど劇的ではなかったことを意味します。そのため、庶民の間での意識改革が完全には進まなかった可能性があります。
- 明治維新が革命と呼ばれない理由として、このような社会システムの利用と改造が挙げられます。一般的に革命とは、既存の社会秩序や体制が劇的に変わることを指しますが、明治維新はその要素が少なかったということです。
- 現在の日本が経済的に停滞している原因の一つとして、明治維新での変革が不十分だったため、社会の深層にある意識や構造が十分に変わらなかったことが影響しているかもしれません。
この観点から、日本の歴史や社会変革について再評価することは興味深いテーマです。明治維新の評価は歴史的な観点だけでなく、現代の社会問題や経済状況を理解する上でも重要です。
具体的には
江戸時代の金・銀・銭の三種類の両を基とした貨幣単位を、明治政府は、円を基とする単位に代えました。江戸時代に両替商として力が非常に強かった、三井・住友を新システムである銀行にして残し、政商として、財閥を築いたことです。
貨幣は額面に比べて、製造コスト安くその差は発行者の利益となります。発行者は政府と政府系機関なので、財政として使われます。
この新しい貨幣体系では、まだ信用が確かではなかった政府は金本位制を採用し、1円は純金1.5グラムと定めました。
さらに、1873年には日本初の銀行である第一国立銀行が設立され、紙幣の発行が開始されました。これにより、貨幣の流通が円滑に行われるようになりました。
江戸時代末期には、多大な財産を持っていた三井・住友・鴻池などは、その信用で、手形を発行していました。そういった財閥を両替商から、銀行へ近代化が必要でした。渋沢栄一がそれをやり遂げました。これによって日本が近代化し、強国となる礎となりました。
紙幣 | 一万円 | 五千円 | 千円 | 五百円 | |
百円 | 五十円 | 十円 | 五円 | 一円 | |
貨幣 | 500円(ニッケル黄銅) | 500円(白銅) | 100円 | ||
50円 | 10円 | 5円 |
現在のお金
24年4月のフォーブス誌に載っていた長者番付です。
名前 | 関連 | 国 | 年齢 | 資産額 (10億$) |
ベルナール・アルノー | LVMH | フランス | 75 | 233 |
イーロン・マスク | テスラ、スペースX | アメリカ | 52 | 195 |
ジェフ・ベゾス | アマゾン | アメリカ | 60 | 194 |
マーク・ザッカーバーグ | フェイスブック | アメリカ | 39 | 177 |
ラリー・エリソン | オラクル | アメリカ | 79 | 141 |
ウォーレン・バフェット | バークシャー・ハサウェイ | アメリカ | 93 | 133 |
ビル・ゲイツ | マイクロソフト | アメリカ | 68 | 128 |
スティーブ・バルマー | マイクロソフト | アメリカ | 68 | 121 |
ムケシュ・アンバニ | リライアンス・インダストリーズ | インド | 66 | 116 |
ラリー・ペイジ | グーグル | アメリカ | 51 | 114 |
ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー社のベルナール・アルノー氏は、資産額が最も多い人物であり、その資産は約2330億ドル、約36兆円に達します。これは、毎日1億円を1000年間使い続けられる金額です。この金額には親族の資産は含まれておらず、節税対策後の額であるかもしれません。このことからも、長者の資産額は使用価値ではないことがわかります。また、この表には世界的な富豪として有名なロスチャイルド(仏:ロートシルト)家は一人も入っていません。彼は、銀行を中心とした企業グループを作り、支配していますので、個人の資産はそこまで多くないのでしょうが、動かせる額はこれら大きく上回っているかもしれません。
ユダヤの大富豪ロスチャイルド家の「私有都市」カイサリア | クーリエ・ジャポン
デジタル通貨
私たちは普通大きなお金の取引を、ネット上で行う事が多いと思います。買い物など少額であればもクレジットカードや、プリペードカードも使います。
国家と通貨
以前は通貨は産出量が限定され、変質をしない貴金属との交換を発行体が保証する事で、信用を得ていました。しかし、貨幣経済が発展してくると、貴金属が不足し、兌換を止めました。これによって貨幣は、裏付けを失いました。失っても流通を保証するだけ、国=発行体の力が強くなりました。国=発行体は製造コストを額面より低くすることで、その差が利益となりました(信用創造)。このことから新しい貨幣論が生まれました。MMTもその一つです。
現代の貨幣の裏付けは、発行体である政府および政府系機関の信用です。つまり、貨幣システムは、政権でなく政府そのものです。政府は大きなシステムです。一般に発展途上国は経済情勢や情勢不安から 信用が落ちる為、インフレ率が高くなります。債権などはその使を見て、その国のインフレ率を引く必要があります。また、過去10年のインフレ率の最高が最低の5倍以上の債券はリスクが非常に高いのではと思います。インフレ率以下の商品はその割合で損失を出します。もし証券会社がインフレ率以下の債券を紹介すれば、会社の利益を中心に考えているのだと思います。
信用創造は国家財政に大きく寄与します。その国の通貨であることは、大きな利権を握ったことになります。
さいごに
国家において通貨を作るという事は財政を握る事でもあります。
私たち全てが1万円札はこどでも1万円の価値が保証されていると思って使ったり、受け取ったりします。1万円札の製造コストは額面より随分低いので偽札が作られますが、偽札づくりは重罪となっていて、これにより通貨量のコントロールが可能となります。偽金作りは貨幣システムを破壊します。
いくつ米ドルや、ポンドなどが使われていますが、それを強制するのが、現在の植民地の形かも知れません。
通貨発行権を握れば、大きな利益と経済システムを手に入れられます。国の根幹を押さえたことになり、政権は思いのままです。
「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニューカレドニアを是が非でも手放せない理由(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース
世界の通貨量