ある考え方では

あるの視点から

ドル円レートの変遷と株式投資の基礎知識

はじめに

ネットでは、投資と言ったら、ほとんどが詐欺です。直接的な詐欺もありますが、株式においては、企業の悪い噂を流して株価を下げて安く買ったり、良い噂を流して高値で売り抜けることが当たり前です。金融ビッグバンまでは証券会社が行っていたことですが、現在はこれが禁止されています。証券取引所も対策を講じていますが、すべてを防ぐことは不可能です。投資とは、罠にはまらないようにする作業でもあります。

また、機関投資家というプロの集団も存在し、公的資金も株式市場に流れ込んでいます。これらの投資家は、少なくとも100億円単位で資金を動かします。つまり、胴元を入れた博打のようなものです。世界の長者番付において、10兆円以上の資産を持つ人物は、現在の為替レートである1ドル160円では24人です。これは個人の話に過ぎず、世界の富豪といわれるロスチャイルド家やロックフェラー家・著名投資家ウォーレン・バフェット氏など、実質的には10兆円以上の資産があるが、(ロスチャイルド家全体では、5京6500兆円と言われていています。また、支配する会社の資産を貯めている人は含まれていません。)



7月3日午後7時のドル為替は161.882でしたが、161円38銭に急激に下がりました。

利回りは本来市場で決まるものですが、日銀が無制限で国債を購入すれば、国債利回りは国(発行者)の意向となります。

1973年(昭和48年)2月14日以前は、為替レートは1ドル360円に固定されていました。したがって、国内の価格と輸出先の国の価格差が利益となっていました。国は関税によってその流通をコントロールしていました。しかし、1971年8月、ベトナム戦争の出費によりアメリカ政府が米ドル紙幣の金への交換を保証できなくなりました。その結果、紙幣の価値の裏付けが金から国の信用に替わり、市場で通貨の調整が始まりました。

利回りとリスク

NY円、一時159円87銭/2カ月ぶり、介入警戒後退 | 全国ニュース | 四国新聞社

NY円、一時159円87銭 2カ月ぶり、介入警戒後退 - 産経ニュース

円「じり安」159円台突入 2カ月ぶり、ドル独歩高が起点 為替再介入は制約多く - 日本経済新聞

さて、利回りとリスク(損失率)には、負の相関があります。また、利回りとリスクの積が1より大きいのが一般的です。ピケティの法則 r(資本収益率) > g(経済成長率)もここから予測できますし、推奨されている分散投資の理論的基盤でもあります。

これは経済格差の原因でもあります。

国債

もっともリスクが低い投資は、私たちが購入可能な日本国債です。だから、これより利回りが高い分、リスクが上がります。債券のリスクは発行体の信用リスクだけです。日本国債は発行体が日本国なので、リスクが最も低くなります。他国の国債では、為替リスクとその国の信用リスクがあります。インフレ率と通貨の価値は負の相関があるので、インフレ率が2%の国で国債利回りが2%であれば、実質利回りはゼロと言えます。

私は、インフレ率プラス2%のリターンを期待するのであれば、手数料が安い投資信託や株式のほうが良いと思います。債券などで高利回りのものもありますが、その分リスクも高くなります。円建て債券で5%を超える利回りが提示されている場合、それは99.9%詐欺でしょう。

上場されている株には株価が付いていて、株価はその値である理由があります。その株価は割安だと感じたら安い理由を考えてください。それでも割安と思うなら買いでしょう。また、株を買うという事は、その企業を応援することにもなります。

このサイトの目的

認定された証券会社以外が投資でお金を集めるのは違法です。お金が必要だと言ってくる場合、それは詐欺です。投資の世界では、すべてが詐欺師だと思ってください。上場企業はIR情報の公開が義務付けられています。(詐欺師が偽サイトを作っていることも考えられますので、正しいサイトかどうかも確かめてください。)それを元に株価を自分で推理するします。推理が当たるのは悦びです。

その助けになるように、このサイトを作りました。

自己責任

投資判断は自身の責任で行いますが、十分な情報収集と検討が必要です。ここでは、日本の株価指数である日経平均TOPIXと、アメリカの株価指数であるダウ平均・S&P500を比較し、その注意点をまとめました。また、上場企業のパフォーマンスとして、株価サイトに掲示されている指数の説明もまとめました。過去にプログに掲示したものを多用しています。

上場審査基準 | 日本取引所グループ

株価指数の比較

日経平均株価・ダウ平均・ドル為替をチャートで比較しました。

チャート

日経平均株価TOPIX、それぞれ円建てとドル建てでの1年間のチャートです。さらに、ドル/円の終値も同じチャートに追加しました。グラフのスケールは、2023年5月2日の値を100%として、90%から140%の範囲で表示しています。

昨年の6月までは上昇していましたが、11月まではゆっくりと下落し、元の価格に戻りました。11月後半から12月初旬にかけては上昇しましたが、その後再びゆっくりと下落し、今年に入って3月まで上昇しました。4月は下落し、5月に入ってからは再び上昇基調に見えます。これからどうなるかは分かりませんが、株価の動向が解明されれば膨大な利益が得られ、莫大な資産が築かれるでしょう。

株価予想は多く存在しますが、評論家などとして残っている人は、的中しなかったからでしょう。

これらのチャートを見ると、日経平均株価TOPIXの動向が少し異なります。日経平均株価の変動がより、大きくなっています。日経平均の欠点とされている少数の値嵩株の影響が強いためでしょう。TOPIXはより多くの銘柄を含んでおり、全体の株価により近くなっていると思います。ただ、1/8の銘柄だけで株価全体を代表させているのは、評価できます。

また、円建てとドル建てでの株価の動きも異なります。ドル建ての株価は、円建てよりも変動が小さい傾向があります。海外投資家が日本の株価を見る際には、ドル建てのTOPIXが参考にされることが多いですが、これは値動きが比較的安定しているためです。ただ、円建てよりもドル建ての方が安定的であるということは、為替と株価にはある程度相関関係があると考えられます。

アメリカの株価の動向を表す代表的な指標として、ダウ平均株価(Dow Jones Industrial Average)とS&P500があります。以下のチャートでは、これらの指標の1年間の動きを比較しています。グラフのスケールは、2023年5月2日の値を100%として、90%から140%の範囲で表示しています。

このチャートを見ると、ダウ平均株価とS&P500の動きが大きく似ていますが、S&P500 のほうが値動きが大きいことが解ります。NYダウは少し古典的な大企業で構成しているためだと思います。ただ、現状のアメリカの株価はS&P500のほうが正確だと思います。

日経平均TOPIXを表で比較しました。

項目 日経平均株価 TOPIX
東京証券取引所プライム市場に属する225銘柄の株価の単純平均を100倍した値 東証プライム市場に上場している全ての銘柄の時価総額を、ベースとなる一定の時価総額で除して100倍した値
算出方法 それぞれの銘柄の終値を単純に合計し、225で除した 各銘柄の時価総額を合計し、ベースとなる一定の時価総額で除した値に100を乗じたもの
算出元 日本経済新聞社 東京証券取引所
始算日 5月22日 1月4日
基準値 100(1949年1月17日) 100(1983年1月4日)
対象銘柄数 225銘柄 約1,800銘柄
選定基準 流動性、代表性、業種分散などを考慮 流動性時価総額などを考慮
算出頻度 毎営業日 毎営業日
指数の修正 なし 定期的に実施
用途 日本の株式市場全体の動向を把握する指標として利用される 日本の株式市場全体の動向を把握する指標として利用される
長所 わかりやすく、歴史が長い 日本の株式市場全体を網羅している
短所 値嵩株の影受けやすい 大型株の影響を受けやすい
注意点 指数水準は過去の水準と比較する必要がある 指数水準は過去の水準と比較する必要がある

ダウとS&P500を比較してみました、

項目 ニューヨークダウ S&P500
定義 ニューヨーク証券取引所に上場している30銘柄の株価の単純平均を100倍した値 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する株価指数ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場する主要な500銘柄を対象に、浮動株調整後の時価総額加重平均で算出される
算出方法 それぞれの銘柄の終値を単純に合計し、30で除した値に100を乗じたもの 各銘柄の時価総額を合計し、ベースとなる一定の時価総額で除した値に100を乗じたもの
算出元 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
始算日 5月26日 9月4日
基準値 100(1896年5月26日) 100(1957年9月4日)
対象銘柄数 30銘柄 約500銘柄
選定基準 投資家の関心度、業種代表性、時価総額などを考慮 流動性時価総額、業種代表性などを考慮
算出頻度 毎営業日 毎営業日
指数の修正 なし 定期的に実施
用途 米国株式市場全体の動向を把握する指標として利用される 米国株式市場全体の動向を把握する指標として利用される
長所 歴史が長い、わかりやすい 米国株式市場全体の約80%を網羅している
短所 大型株の影響を受けやすい 構成銘柄の変更頻度が高い
注意点 指数水準は過去の水準と比較する必要がある 指数水準は過去の水準と比較する必要がある

銘柄指標

各銘柄のパフォーマンスを表現する指標などをまとめてみました。

株価と関係があると思う経済指標も表にしました。

  株価指標 説明 影響
株PER PER 株価を1株当たりの利益(EPS)で割った値。

高いPERは成長が期待され、低いPERは成長が期待されていないと見なされる。

PBR

企業の時価総額を売上高で割った値。 企業の売上高に対する市場の評価を示し、P/E比と比較して企業の評価を行う。
自己資本比率 企業の自己資本(株主資本)が全資本に占める割合。 高い自己資本比率は企業の安定性を示すが、適切なバランスが必要。
ROA総資産利益率 企業の総資産に対する利益率。 企業の資産利用の効率を示し、投資家にとっての収益性を評価する指標。
ROIC(投下資本利益率) 企業の投下資本(自己資本と借入金)に対する利益率。 企業の投資収益の効率を示し、投資家にとっての収益性を評価する指標。
EPS(1株当たり利益) 企業の純利益を発行済み株式数で割った値。 EPSの成長は企業の成長性を示し、株価の上昇に寄与することが期待される。
株価キャッシュフロー比率(P/CF 企業の株価を1株当たりのフリーキャッシュフローで割った値。 株価がフリーキャッシュフローに対してどの程度の価値を付加しているかを示す指標。
株式配当利回り(Dividend 企業の配当金を株価で割った割合。 安定した配当を提供する企業の評価に使用される。高い利回りは投資家にとって魅力的と考えられる。
株価ボラティリティ 株価の変動の大きさを示す指標。 ボラティリティが高い株はリスクが高いとされるが、リターンも高い場合がある。
経済 GDP国内総生産 国内で生産された最終財・サービスの総額。 経済成長、景気の動向、景気循環の段階の把握に使用される。
消費者物価指数(CPI) 消費財とサービスの価格の変動を示す指標。 インフレ率を測定し、物価の上昇や下降の傾向を把握する。
生産者物価指数(PPI 生産者が生産した財・サービスの価格の変動を示す指標。 生産コストの変動やインフレ圧力を測定する。
失業率 労働力のうち、仕事を求めているが見つからない人の割合。 労働市場の状況を示し、景気循環の段階を把握する指標の一つ。
労働生産性 労働者1人あたりの生産量。 経済の生産性を示し、労働市場の効率性を測定する。
水準指数 特定の期間の相対的な経済指標の値を100とした指数。 時系列データの比較や経済のトレンドを把握するために使用される。
貿易収支 輸出と輸入の差額。 国の国際取引のバランスや競争力を示す。
企業収益 企業の利益。 経済活動の健全性や企業の業績を把握する。
雇用者コスト指数(ECI) 雇用者が労働者1人あたりに支払う給与と、その他の雇用者負担費用の変動を示す指数。 労働市場の賃金と労働者の生活水準の変動を把握する。
PMI(購買担当者指数) 製造業やサービス業の経済活動の状況を示す指標。 生産量、新規受注、在庫などの指標を総合的に評価し、景気の動向を把握する。
消費者信頼感指数 消費者の経済に対する信頼感を示す指数。 消費者の支出意欲や経済への信頼度を把握する。
企業景気指数 企業の景気に対する見通しを示す指数。 企業の生産、雇用、投資などの計画に基づく景気の動向を把握する。
住宅市場指数 住宅市場の活況を示す指数。 住宅需要の変化や住宅価格の動向を把握する。
信用格付け 企業や国の債務のリスクを評価する指標。 投資家にとっての信用リスクを示し、投資判断の基準となる。

また、ドル価格と日経平均株価の1年間の推移で、昨年の4/19日を基準に上下動をその割合で示したグラフを造りました。ドル価格なので上に行けば円安です。

株価は今年に入って激しく上がりましたが、先週からは大きく下げています。今週の水曜日は大きく上げましたが、木曜日は前日の上げ巾の80%程戻し、37,628.48円で終わりました。

 

1年間 の日経平均株価TOPIXです。昨年5月は大きく上がっていましたが、6月中旬からはあまり上がっていません。それが今年に入り再度上昇に転じ、先月以降は上がっていません。これを調整と見るかどうかでその後の予測に違いが出ます。昨年末には年末には日経平均株価が4万円と予想していた評論家が多かったので、それが当たっているのかも知れません。

複利効果

ほとんどに人は複利効果を謳っています。以前税理士が均等返済で、均等額を返すのは損で、金利で、返した方が得だと言った事があります。利息分は確かに均等額返すほうが多いのですが、キャッシュフローは均等額返すほうが増えます。なので、好みの問題だと思います。複利効果も同じです。株式配当などは余裕がなければ使いますが、余裕があれば配当金のみならずなるだけ投資にまわします。預金金利は利率だけでなく、その他のサービスも含めて考えてください。また、時には借り入れが必用なこともありますし、銀行の子会社の証券会社もあり、担当者が比較的信頼できる人の場合もあります。

世界の金融市場

世界各地に証券取引所が開設されています。主な取引所を20個上げます。

世界の証券取引所 時価総額 取引量ランキング TOP20

順位 取引所名 国名 所在地 時価総額 月間取引量
1 ニューヨーク証券取引所 アメリ ニューヨーク 23,139  
2 ナスダック アメリ ニューヨーク 10,376 1,262
3 日本取引所グループ 日本 東京 6,288 481
4 上海証券取引所 中国 上海 5,023 536
5 ユーロネクスト 欧州連合 アムステルダム
ブリュッセル
ダブリン
リスボン
パリ
4,649 174
6 ロンドン証券取引所グループ イギリス イタリア ロンドン・
ミラノ
4,596 219
7 香港証券取引所 中国 香港 4,443 182
8 深セン証券取引所 中国 深セン 3,547 763
9 ドイツ取引所 ドイツ フランクフルト 2,339 140
10 ボンベイ証券取引所 インド ムンバイ 2,298 10
11 インド国立証券取引所 インド ムンバイ 2,273 96
12 TMXグループ カナダ トロント 2,246 97
13 韓国証券取引所 韓国 ソウル 1,841 277
14 スイス証券取引所 スイス チューリッヒ 1,541 77
15 ナスダック北欧 北欧諸国 バルト諸国 ストックホルム 1,524 72
16 オーストラリア証券取引所 オーストラリア シドニー 1,442 56
17 JSE Limited 南アフリカ ヨハネスブルグ 1,165 29
18 台湾証券取引所 台湾 台北 1,077 75
19 B3 ブラジル サンパウロ 1,073 62
20 BMEスペイン語交換 スペイン マドリード 919 80

これは、証券取引所時価総額順で並べたものであり、ドル建てで、取引量は月間のものです。取引量上位5つはナスダック、深セン、上海、日本取引所グループ、韓国です。

さいごに

日銀は2%のインフレターゲットを掲げています。労働組合のある企業で給与が上がるのは春闘です。春闘では、企業業績と物価を基にベースアップ分を決定します。そのため、物価と給与には約1年のタイムラグがあります。2%程度の物価上昇であれば、物価の上昇が気になる前に給与が上がるので、良い循環となります。これが証明されており、今世紀に入ってから3年程前までは米国の景気を支えていました。

物価上昇率とインフレ率を分けて考えない日本の評論家が多いように思います。さらに、企業と個人を分けて考える人も少ないように感じます。個人は消費者でもあります。消費者にとって物価高はすべて悪です。同じ資産でも買える物が減ります。ただし、給与や資産がこれに見合って上がれば生活は変わらないので納得します。これがインフレ率2%です。

インフレ率とは貨幣価値の下落率です。ですから、物価・給与など全てが上がります。インフレ率と物価上昇率は別物です。