考え方

あるの視点から

記憶とは何か

はじめに

 

刑事事件の、被疑者を被告、検事を原告とすれば、ほとんどの裁判は原告と被告のどちらの言っていることが、裁判の論点を自然に説明できるかを争います。双方が証言で嘘を言ってないなら、記憶の確かさが問題となります。

記憶とは、目などの五感の知覚により脳細胞に変化をさせる事と、それを思い出す作業です。五感が認識し、それが神経細胞を伝わって大脳に伝わるには時間がかかります。神経細胞内は電気のスパークで短時間ですが、次の神経などとの接合部ではアセチルコリンなどの化学物質を出し、それを受け止めなければならず、時間がかかります。


そんなこともあり、記憶はいくつかに分類法がありますが、ここでは述べません。

記憶の分類について- 記憶の定義と種類、それぞれの違い - THERABBY

記憶には不思議なことが多くあり、興味深い精神活動です。

記憶 - Wikipedia

「脳の記憶容量は何テラバイト?」脳科学の専門家が明かす「記憶」の真実 | ニュースな本 | ダイヤモンド・オンライン

私たちが見ている世界は脳が「過去15秒間」を平均化した映像だった - ナゾロジー

次元と記憶

時間の概念とは、記憶と現状を比較する作業です。つまり、「時間」は記憶があるから生まれます。今の世界を三次元と考えるのは、「時間」があり、それが意識で動かせないためです。ここで「次元」と言いましたが、これは物理学でいう次元とは少し異なります。つまり、3次元と言うのは、人間活動に起因しています。SFでは、自由に動かせる世界を4次元とし、タイムマシンを作りましたが、時間が戻れば原子も戻り、思考も戻るので、意味がありません。

次元 - Wikipedia


曖昧さ

今まで述べたように、人の記憶は多くの過程を経て形成されます。その過程のどれもが曖昧さを含む余地があります。さらに、人は速やかに認識しようとしてパターン認識を行います。これは時間とメモリの節約になり、複雑なものも瞬時に認識できますが、同時に曖昧さの原因ともなります。

ニコニコマークは外側の丸い円と3本の円の一部だけです。しかし、私たちはそれをうれしい顔だと認識します。目や口に相当する曲線を変えただけで、驚いたり困ったりします。これもパターン認識が引き起こす現象です。

パターン認識は幻視も引き起こします。多くの霊感の原因となり、それを信じる人は否定されると「嘘」をついていると思います。ここでは見やすさを重視していますが、これはすべての感覚や考え方にも当てはまります。

認識によっては、その人が「馬鹿」に見えることがあります。論争に長けた人は相手を論破しようとしますが、論破は納得とは異なり、敵を増やします。ただし、利害のない観客には「すごい人」と思わせます。こうして社会が分断されていきます。ネット上では多くの人とつながることができますが、彼らは無責任に煽るため、分断がさらに深まります。UFOを信じている人は、それを否定する人に対し「危機意識がないからUFOが見えない」と思います。これはSNSでよく見られる現象です。

AIに使用されるデータの多くもパターン認識によるものなので、平然と嘘をつくことがあるのだと思います。

ディープラーニング - Wikipedia

 

考える

考えるという行為は、情報を組み合わせることです。この情報は記憶の中に保存されています。言い換えれば、考えることとは、記憶を組み合わせる作業です。組み合わせ方には個人の信条が影響し、その信条に基づく傾向を「思想」と呼びます。



 

さいごに

他人を辛辣に批判する人がいますが、その人の考えにも曖昧さが含まれています。また、その考えは多くの場合、一般的な人々の意見と異なることが多いです。さらに、過去にその人が言ったことと矛盾する場合もあります。記憶は曖昧なものであるため、考えもまた曖昧です。そう考えると、他人を非難することは慎重にしなければならないと思います。