考え方

あるの視点から

日本古酒の魅力と日本酒の楽しみ方

はじめに

数年前のことですが、実家には地下室があり、そこにある扉付きの棚をワインセラーとして使っていました。地下室は夏はひんやりし、冬は暖かく、温度はおそらく15度±5度だったでしょう。

私は、冬の時期には、いつも同じ銘柄の生酒を飲んでいました。その生酒は12月から2月までの年3回出荷され、それぞれの作りが異なることが説明されていました。生酒は予約販売で、すぐに味が変わるため、早めに飲むようにしていました。貯蔵はもちろん冷蔵庫で行っていました。生酒の値段は四合瓶で1500円弱なので、通常の日本酒とあまり変わりませんでした。

ある時、その1本をワインセラーに入れてみました。どんな味になるか実験するためです。

その後、日本古酒のことを知る機会もありました。

10年ほど経ってから飲んでみたところ、非常に美味しくて驚きました。

そこで、改めて日本古酒についてブログにまとめてみようと思います。

実家は、打ちこわし、土地ののみとし、売却しました。

 

 日本古酒について

日本古酒は、日本酒を長期間熟成させたもので、通常の日本酒とは全く異なる、独特の味わいを楽しめるお酒です。熟成によって、琥珀色に色づき、香りは甘く濃厚になり、なめらかな口当たりへと変化します。

古酒の特徴

味わい
熟成期間によって味わいは大きく変化しますが、一般的に、甘味、酸味、旨味のバランスが良く、複雑で深みのある味わいが特徴です。
コーヒーやスパイスのような風味を感じられることもあります。

香り
新酒にはない、熟成による芳醇な香りが特徴です。
蜂蜜やドライフルーツ、ナッツのような甘い香りから、熟成が進んだものは、シェリー酒のような複雑な香りを持つこともあります。


熟成期間が長くなるにつれて、色は次第に琥珀色へと変化していきます。

身体への影響
長期熟成酒は、飲んだ後の「酔い覚めの良さ」が特徴です。
江戸時代の文献にも、熟成酒は身体全体が潤うように気持ち良く酔うと記されています。

古酒の種類と熟成

古酒の種類は、熟成方法や熟成年数によって大きく異なります。

濃熟タイプ
本醸造酒純米酒など、比較的アルコール度数が高く、コクのあるお酒を常温で長期熟成させたものです。

中間タイプ
上記の中間的なタイプで、様々な味わいの古酒が存在します。

淡熟タイプ
アルコール度数が低く、軽やかなお酒を比較的短期間熟成させたものです。

古酒の歴史

古酒の歴史は古く、鎌倉時代にはすでに熟成酒が存在していたという記録があります。江戸時代には、九年酒と呼ばれる長期熟成酒が珍重されていました。しかし、明治時代以降、日本酒の造り方が変化し、古酒を造る蔵元が減少しました。近年、再び古酒の魅力が見直され、様々な蔵元が古酒造りに取り組んでいます。

古酒を楽しむ

料理との相性
チーズ、チョコレート、ナッツなどの濃厚な味わいの料理との相性が良いです。
また、和食にも合わせやすく、特に出汁を使った料理とのマリアージュが楽しめます。

飲み方
冷やして飲んだり、ぬる燗で飲んだり、ロックで飲んだりなど、様々な飲み方で楽しむことができます。

古酒を選ぶ際のポイント

蔵元の歴史
古くから日本酒造りを続けている蔵元の古酒は、その歴史と伝統を感じることができます。

熟成年数
熟成年数によって味わいは大きく変化します。自分の好みの味わいに合わせて選びましょう。

原料米
使用している原料米によって、味わいが異なります。

製法
古酒の製法は、蔵元によって様々です。

まとめ

日本古酒は、熟成によって生まれる複雑で奥深い味わいが魅力のお酒です。様々な種類があり、料理とのペアリングも楽しめるので、ぜひ一度味わってみてください。

 

さいごに

最近、日本酒の評価は随分と変わりました。私は、日本酒を白ワインの一種だと考えています。これまで日本酒は火入れをして酵母や麹菌を殺し、安定化を図ってきました。しかし、最近では優れたフィルターが開発され、それを使用することが増えてきたと聞いています。吟醸酒などの香りを楽しめるのは、そのためだと思います。生酒は火入れをしていないため、香りが立ちやすく、コストパフォーマンスも良いです。

香りを楽しむには、これまでの猪口やぐい飲みよりも、ワイングラスやテイスティンググラスのほうが良いように思います。

日本酒には多くの楽しみ方があります。発泡酒も良いですし、にごり酒も魅力的です。

私は時々、少し炭酸水を入れることもあります。

調合することで、アルコール濃度を変えることもできます。味や香りは今や多種多様です。皆さんも日本酒を楽しみましょう。